シンポジウム
2023年度「Sustainabilityと人文知」シンポジウム
「能登半島地震と地域のサステイナビリティ」
2023年3月30日(土)15:00~17:30
参加無料
オンライン開催
発題者
シンポジスト
保立道久(東京大学名誉教授 日本史学)
嘉瀬井恵子(福井大学特命講師 社会デザイン学)
山崎寿一(神戸大学名誉教授 建築学)
コメンテーター
福永真弓(東京大学准教授 環境社会学)
司会:清水亮(東京大学准教授 地域社会学)
企画説明:堀江宗正(東京大学教授 死生学応用倫理)
オンライン参加の方は、以下で事前にご登録をお願いします。
https://u-tokyo-ac-jp.zoom.us/meeting/register/tZwuduuprjwtGdy4PDP0IJRswyQk6fa2YXjC
報告
多くの参加者を迎えて、無事修了した。発表では、過去の歴史を振り返りつつ、人々のそこに「住む」という意志の強さを確認した。「サステイナビリティ」を論じるときの「何をサステインするか」という問いに関連して、人口減少地域における災害では「居住」のサステイナビリティが問題になる。外部からは、その意思に対するエンパワーメント、そして必要な資源を提供することが重要であると結論づけられた。
一方、地域の閉鎖性、封建性、階層性なども指摘された。同時に、それらは開明性や平等性とも両立しているとのことであった。「能登はやさしや、土までも」という言葉がある。だが、それとは別に困窮したときにどうするかというと「越中泥棒、加賀乞食、能登はやさしや人殺し」とも言われる。やさしさのあまり人殺しをすることもあるということか。これは極端な言い回しだが、多様な評価軸を持って、長い目で地域を見ることが大事だと指摘された。
いずれにしても、災害列島日本では、地域社会が困っているときにいつでも支援ができるように準備しておくことが必須であるということを確認できた。