第2シリーズ

第1回シンポジウム

実施概要

「コミュニティの死と再生―環境と地域経済の未来―」

日時:2018年3月3日(土) 13:00~17:30(開場12:30)
※参加無料・事前登録不要
場所:東京大学本郷キャンパス 法文1号館2階 215番教室(地図)

プログラム:

(※14:30~14:50, 16:10~16:20は休憩時間)

開催趣旨

本プロジェクトは、総長裁量経費によって2009~2014年度に実施され、いったん終了しましたが、五神真総長がめざす「多様性を活力とした卓越性の追求」を実現するための「東京大学ビジョン2020」推進事業のひとつとして第2シリーズが始まった、文理融合プロジェクトです。

第2シリーズでは「先人の智慧を如何に活かすか」をテーマに掲げています。昨年度実施の第1回公開ワークショップ「地震古記録にサステイナビリティを学ぶ」では、文献史料から過去の被害や復興の事例を学び、事前・事後の減災措置への教訓を汲み取る術を議論しました。第2回公開ワークショップ「伝統知の景観─人工的環境と共生する仕組み」では、環境ということばを理論実践両面から振り返り、古代からの水と地域・人の関わりを議論しました。

今回のシンポジウムは、これら2度のワークショップや今年度実施した福島県川内村・いわき市聞き取り調査をふまえ、環境・地域・人の関わりについて見つめ直します。プロジェクトメンバー2名による調査報告のほか、3名の報告者にそれぞれ異なる角度から話題提供いただき、その後、来会者もまじえて議論を深めていきたいと考えています。

報告概要

北條勝貴氏「稲作至上のもたらす惨禍―桃太郎・アイヌ・火田民―」

緑豊かな里山イメージが幻想に過ぎず、近代以前の都市・農村周辺には広大な低植生空間が広がり、種々の災害の要因となっていたことは、近年の環境史研究が明らかにしてきた重要な成果である。それは、古代国家における米の租税化以来次第に構築されてきた、農業における稲作至上傾向のひとつの帰結といえるが、その過程においては、近世東北の大規模飢饉から近代の〈稲の大東亜共栄圏〉に至るまで、列島内外に種々の惨禍を生じてきた。本報告では、一般において常に肯定的に評価されがちな稲作の影の部分を照射し、その弊害を明らかにするとともに、移動/定住の問題系からも新たなアプローチを試みたい。

桑子敏雄氏「自然再生のための合意形成マネジメント」

これまでの活動と現在の活動について

堀江宗正「コミュニティを引き受ける――原発事故周辺地域の視察から」

2017年12月に本研究プロジェクトのメンバーは、福島第一原子力発電所事故後、もっとも早く「帰村宣言」をおこなった川内村と、原発周辺地域から多くの避難者を受け入れてきたいわき市を視察した。本発表はその報告である。避難を経験した人と避難をせずに住み続けている人の間には若干の意識のズレがある。後者には、コミュニティがこれまでもいくつかの危機と変化を経験してきたという歴史を踏まえ、復旧ではなく新しい形の地域経済を立ち上げようとする意識が強く見られる。しかし、前者はコミュニティの形が変わることに戸惑いと疑いの気持ちをいだき、賠償格差による分断などで苦しんでいた。

田野井慶太朗「除染――放射性物質や不安は取り除けたか」

福島第一原発事故により汚染された地域で行われた大規模な除染活動は、人類が初めて経験するものであった。今回の調査結果を中心に、除染の功罪を、目標設定や考え方、除染方法、住民意識の点からまとめてみたい。

島村守彦氏「ふくしまから日本の未来を考える」

3.11東日本大震災から7年。おてんとSUN企業組合の設立目的から、活動するなかで現れた多くの課題と苦難、世界との繋がり。ふくしまを代表する活動として成長させて頂いた経緯、そして、今後のこと。移り変わるふくしまの現実、課題先進地ふくしまで取り組む私たちのチャレンジが、新たな地域づくりへのヒントになればと考えます。